年末年始にかけ、卵の価格の高騰が心配されている。記録的な猛暑による鶏の夏バテで、産卵数が減っている上、秋になって鳥インフルエンザが過去最悪のペースで急拡大する悪循環に陥っている。卵の価格が約2倍に跳ね上がった一昨年シーズンの「エッグショック」の再来を懸念する声も出ている。
11月中旬、東京都練馬区のスーパー「アキダイ関町本店」では、一番大きいLLサイズ10個入り1パックが233円(税抜き)で販売されていた。例年と比べ、50円以上値上がりし、買い物客の40代女性は「家族の弁当に卵焼きを入れている。これ以上、上がったら」と困り顔だった。
店では20年ほど前から日曜日に1家族1パック88円(税抜き)の特売を実施。開店前には200人ほどの行列が出来るほどの人気で、卵は生活必需品だ。
今後はクリスマスや正月の料理、おでんの具材などとしての需要が高まり、例年は年末にかけて50円ほど値上がりするという。社長の秋葉弘道さん(56)は「(さらに今年は)鳥インフルエンザが出てきたらもっと高くなるのでは」と懸念する。
卵の取引価格の指標となるJA全農たまごの卵相場(Mサイズ、1キロ当たり)の各地区の基準値(東京、大阪、名古屋、福岡)は、1月は175~181円だったが、8月から大幅に上昇。11月は15日までの平均値で270~285円と、年始と比べ、6割近く高い。
農林水産省食肉鶏卵課によると、今夏の記録的な暑さで鶏が弱り、産卵率が低下し、卵のサイズも小さくなり、供給量が落ちたことから価格が上がった。さらなる高騰の要因として、同課の担当者が注視するのが、鳥インフルエンザの影響だ。
鳥インフル、「今年は最悪時と同じ」
「今年の発生ペースは最悪だ…